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TYPE 20 / TYPE XX

1954年、フランス国防省がパイロットのために求めたのは、極限の状況でも確実に時を読み取れる“道具”だった。
黒く深いダイヤル、瞬時に計測をリセットできるフライバック機構、300回の計時に耐える堅牢性、そして日差8秒以内という厳格な精度。その要求は、単なる時計の枠を超え、空を駆ける者の生命線としての信頼を意味していた。

この「Type 20」と呼ばれた規格に応えるため、当時の名門ブランドが名を連ねたが、実際にその任務を担ったのは、静かに確かな技術を積み重ねてきた Mathey-Tissot だった。

ブレゲがフランス国防省に納入した2,000本のType 20のうち、実際に製造を手がけたのはMathey-Tissot。
Valjoux 222を搭載し、軍の厳しい基準を満たすために組み上げられたその時計は、空軍と海軍航空隊のパイロットたちの腕で、1950~60年代の空を支えた。

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今日、民生用として残る Mathey-Tissot Type 20 は、ブレゲの名を冠したモデルよりもむしろ希少とされる。
しかしその希少性以上に価値があるのは、同じ血統を宿し、同じ技術者の手で、同じ規格のもとに生まれた“本物のType 20”であるという事実だ。

空を切り裂く瞬間、計器に触れる指先に宿る緊張、そして帰還の安堵。そのすべてを共に刻んだ時計の系譜は、今も Mathey-Tissot の中で静かに息づいている。

TYPE 20 / TYPE XX ──
それは、空を託された時計の物語。

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