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マックス・ビルについて

スイスで生まれたマックス・ビルは、ドイツ・デッサウのバウハウスで学びました。バウハウス創設者のヴァルター・グロピウスやパウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー等に師事する傍ら、建築家のル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエの思想をも受け継ぎました。偉大なデザイナーであり創造的なアーティストだったマックス・ビルは“バウハウス最後の巨匠”と言われ、画家、建築家、彫刻家、教師、そしてデザイナーとして幅広い分野で天賦の才を発揮しました。

また1993年には日本を訪問し、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。明瞭なデザインと緻密な計算に基づく調和を特徴とする彼の作品は、今日に至ってもなお多くのファンを魅了し続けています。

マックス・ビルの作品

マックス・ビルの作品は、自由美術と応用美術、哲学と実践とのバランスに大変長けたものでした。“時間”をテーマとした試みはマックス・ビルにとって魅力的な挑戦となり、数十年に渡って取り組むことになります。中でも1956/57年にユンハンスのためにデザインしたウォールクロックは最も優れた作品の一つで、時間と分の重なる様を形式化しよりシンプルな形で表現した本作品は、その類稀な造形美が評価されてニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに指定されています。

また1962年に発表された機械式腕時計は、ドーム型の風防に調和するよう分針の先端を緩やかにカーブさせるなど、目立たない部分ほど詳細に手が加えられています。無駄を削ぎ落としたシンプルで飽きの来ないウォッチコレクションは美しいだけでなく流行に左右されない永遠のマスターピースと言えます。マックス・ビルのオリジナルデザインを元にユンハンスの手で再び甦った『マックス・ビル by ユンハンス』は、リストウォッチとウォールクロックのシリーズで展開しています。